「INFOBAR(インフォバー) ANNIN」 思い出のケータイ。それはまるでタイムカプセルの様に記憶を呼び覚ます。

2003年。当時僕は高校生。クラスの皆はほぼ全員と言って良いほど折りたたみケータイを使用しており、それが流行の最先端だった。多分に漏れず、僕も折りたたみのケータイを使用していたのだが、ある日、1人の友人が「新しいケータイにした」と言って嬉しそうにしていた。手に持っていたのはauの「INFOBAR(インフォバー) NISHIKIGOI」

なんだあれは。薄っぺらい棒切れの様なルックスはとても衝撃的だった。初めは「新しいって…時代は折りたたみケータイだ。なんで時代に逆行するようなモノを選ぶんだ。」とも思った。現代で言うとiPhoneXの様なサイズ感が主流なのに、あえてiPhone SEを使う感覚に近いかもしれない。しかし僕はその友人が手にしていた「薄っぺらい棒切れ」が次第に頭の中から離れなくなっていった。

2004年。あの薄っぺらい棒切れに新色が追加された。その名も「ANNIN」

ネーミングの由来は食べ物の杏仁豆腐から来ていて、カクカクとして真っ白な端末はまさに杏仁豆腐のイメージ通り。どこを見ても白く、無駄を徹底排除したスタイリッシュなデザインに未来を感じ、長い間抱いていた気持ちがここで爆発した。

「何としてもこの機種が欲しい!」

しかし当時どこのショップも在庫切れで、何軒か電話をしまくって、見て回って、ようやく僕はこのANNINを手に入れた。そして4〜5年という自分史上、最も長く使用した携帯端末となった。今日はそんな思い出の端末を久々に見てみる事にする。

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主要機能にすぐアクセス可能なサイドの物理ボタン

折りたたみではないので、ポケットやカバンの中で誤操作をしてしまわない様にスライド式のロックが。僕は左利き。左手に持つので、親指が丁度このロックの位置になり、ケータイを取り出した時に流れる様な動作でロックの解除が出来た。操作感はバッチリ。

当時、携帯端末でネットサーフィンをする事はあまり無く、僕の用途は主にメールだったので、ボタンを押してすぐ起動出来る点は物凄く快適だった。メールの他、懐かしいEZWEBのボタンが配置されていたりと、主要機能へのアクセスがサイドボタンから可能なデザイン。

キーボタンは程よい膨らみがあって、キーを見なくても位置を認識しやすい。クリアパーツで洗練された雰囲気を醸し出し、夜、バックライトを点灯させるとさらに美しかった。

カメラは31万画素のCCDカメラ。今のスマホやiPhoneには遠く及ばない性能だが、撮る事自体が楽しくて性能だのなんだの気にしていなかった。当時は何を写していたのだろう。夢中になって撮っていた気がする。充電器を無くしてしまったので確認はできない。ただ、当時の記憶は色々と蘇ってくる。

とても15年前の端末とは思えないデザイン

マグネシウム製で、スタイリッシュな見かけとは裏腹にタフな仕上がり。何が良いって、このエッジ感のあるボディー。手で握ると程よい引っかかりがあり、体の一部の様にしっかりとフィットしてくれる。携帯端末はこうあって欲しい。近年のディスプレイが大きなスマホは、どうも手に馴染まなくてしっくり来ない。ちなみにINFOBARの後継機種もいくつか発売されてはいるものの、妙な丸みを帯びたりして僕の好みからは遠のいてしまった。

それはiPhoneが5S以降丸みを帯びてきて、ガッカリした気持ちに似ている。これを書いている時点では「iPhoneX」が最高峰のiPhoneなのだが、手の馴染みの良さ、iPhoneらしいカッコ良さから、今はSEを使っている(値段も高いし)。INFOBARとiPhone SEは僕の中で少し似た存在で、時代を少し逆行するような、天邪鬼な感覚が好きだ。

約15年も前に登場したINFOBAR。iPhone SEと並べて見ても古臭さは感じない。2.0インチという、今では考えられない位小さなディスプレイだが、そこにすべてが詰まっていた。

美術館の収蔵品に選定されている

デザイナーの深澤直人氏がデザインしたこのINFOBAR。実は、2007年にアメリカ・ニューヨーク近代美術館に、2013年にはアメリカ・インディアナポリス美術館収蔵品として選定されている。美しい外観はアート・デザインとしても芸術の域に達していた。

記憶のタイムカプセル

ケータイ。それはまるでタイムカプセルの様に、様々な思い出を記録していてくれる記憶装置。たとえ電源が入らなくとも、見て、触っているだけで懐かしい記憶が蘇ってくるはず。たまには眠っているケータイを手にとってみるのも面白いと思う。

 

 

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